2012年07月17日

Posted by 沖縄かりゆし不動産
at 22:54
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不動産売買の基礎知識

価格査定で気をつけたいポイント

価格査定で気をつけたいポイント今住んでいる自宅にせよ、誰も住まなくなったおじぃのお家にせよ、誰しも一度は考えたことがありますよね。
「このお家、売ったらいったいいくらなの!?」

そんな風に、やっぱり気になってしまう不動産の価格ですが、実際にどうやってはじき出すのか知っていましたか?

興味本位で知りたい方でも、あるいは真剣に売却を検討している方でも、以下の書籍が参考になりますので一読をお勧めします。
ここで解説をしたいところですが、相当長くなりそうなのでまたの機会に。詳しくはこの本で勉強してみてください。




実際の査定依頼は何社に頼むべき?

さて、本当にお家を売ろうという場合、世の中にはいろんな不動産屋がありますから、1社だけに価格査定をお願いしてオシマイというのは不安です。
その業者さんが頼りなかったり、あるいは後で書くように悪意があった場合には問題がおきてしまいそうです。
では何社に頼むべきか、といわれると、これまた答えが出ない問題です。

そこで、私自身が自分の所有している土地を査定してもらうシチュエーションを妄想しました。
自社以外の不動産業者に価格査定を依頼するとして、自宅に近い順から片っ端に目についた業者に依頼していったとします。

1番近いA社……アウト
2番目に近いB社……アウト
3番目に近いC社……たぶんいい仕事する
4番目に近いD社……たぶんいい仕事する
5番目に近いE社……う〜ん、わからない

そんな感じです。
アウトの会社は頼りないか嫌らしい査定を出してくる気がする業者で、「たぶんいい仕事する」と評価する会社は普段の仕事ぶりがしっかりしている会社です。最後に妄想したE社は、「いい人なんだけど仕事は微妙」という感じです。

僭越ながら、そのように妄想した結果、私のおすすめは「最低3社!」です。
よかったらその中に弊社も入れておいてほしいですが、それより大切なのは「やたら高い査定を出した会社はパスせよ」と言うセオリーです。

まずは己を知ることも大事です

上記の「やたら高い査定を出した会社はパスせよ」という法則を語る前に、私自身の経験を書いてみます。
一昨年、平成8年から所有していた横浜市内のマンションを売却しました。不動産業者ですから、知り合いのつてをたどってR社という会社を紹介してもらい専任媒介で売却活動をお願いしました。

そして問題発生!

いや、問題が発生したのは自分自身の心の中でした。
知り合いのつてで絶対安心なはずのR社の査定が「なんとなく低く見えるなぁ」と思ってしまうワケです。
ネットでの反響も弱く、「この報告書の数字は嘘なんじゃないのかなぁ」なんて思ってしまうワケです。
「俺の不動産がこんなに価値が低いわけないと思うんだけどなぁ」的な気分に陥るワケです。

しかし! 冷静に考えたらR社はまっとうな仕事をしてくれていました。
比較的すぐに買い手も見つかり、「やっぱがんばっていたんだなぁ」と反省。

不動産屋である私自身がそのような心理状態になるわけですから、普段不動産と接していないお客様が疑心暗鬼に駆られることは、自ら体験してみてよくわかりました。

ですからここに、声を大にして申し上げておきます。
「不動産屋があえて価格を低く査定することは(通常)ありません。買取業者と結託していることも(私のまわりでは)ありません」
だから、査定が低すぎる業者がワルい業者という可能性は低いのです。

しかし、その逆はワルかも知れませんよ?

やたら高い査定額を提示するワナ

沖縄でも本土でも、ちょくちょく聞く話です。
上に述べたように「査定は数社からとれ!」というのがセオリーですから、査定を出した業者間ではどこが売り出しさせてもらうか(媒介契約をしてもらえるか)の競争になります。

そこでボカ〜ンと高い査定価格を提示したら?
誰しも「え、こんなに高い値段で売れるんならオタクに頼むよ」となりますよね。

でも高い査定額を出したから高く売れるかというと、まったくそんなことはありません。
ですよね、テキトーに高い額を出しているだけですから。
場合によっては査定担当者が「うちは営業力があるからこれで売れる」というかも知れませんが、「じゃぁその価格で買い取ってください」というと黙ってしまうはず。本当はその価格で売れないからです(※)。

もしやたらと高い査定額を出した会社と専任媒介契約を締結して物件を預けたら?
だいたいのシナリオは以下のような感じです。

(1)長期間売れない
(2)文句を言うと「時期が悪い」「見学者はいるからきっと売れる」的ないいわけをする
(3)さらに長期間売れない
(3)文句を言うと、「値段を少し下げませんか」といわれる
(4)値段を下げたけど長期化している物件なので、市場から嫌われてさらに長期間売れない
(5)資金繰りに本当に困ってくる
(6)営業マンから「ウチが買い取りましょうか?」といわれる
(7)泣く泣く激安で売却

実際にあった(という噂の)怖い話です。


※補足

場合によっては査定担当者が「うちは営業力があるからこれで売れる」というかも知れませんが、「じゃぁその価格で買い取ってください」というと黙ってしまうはず。本当はその価格で売れないからです。


と言う部分ですが、もうちょっと詳しく補足します。
実際には査定額ズバリで買うのは論理的に難しいです。所有権移転費用、不動産取得税、固定資産税(按分額)、銀行の利子、売り出す時に必要な広告費など……の諸費用がかかってくるので、そのぶんの金額と一定の利益を差し引いた価格でないと買取は不可能です。

しかし、もし当社(のみならず普通の業者)がお客様から「査定額で買い取ってください」と言われたら、その辺の状況を説明して「いくらなら買えます」と価格を提示できます。
価格が提示できないほど査定額と現状が乖離していたら、ちょっと怪しいのではないか、という意味合いです。

長すぎたので追記でフォローしていますが、やっぱ長いですね。すみません。


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