2014年10月09日

Posted by 沖縄かりゆし不動産
at 11:39
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不動産売買の基礎知識

筆界特定制度を利用してみました

境界標の例

不動産売買で、非常に良くあるトラブルのひとつが境界の問題。
弊社でも、買い取った後で「言ってなかったけど、実は隣の人と境界について争いがあるんだよね」と言われて驚いたことも……。

は、早く言ってよ。
しかも隣の人もニコニコ挨拶してたじゃんか!
木の枝が隣に越境してるのを確認したときも、何も言わなかったぞ!

でもなぜか、後から言ってくるんですよね。
そして、「お宅が買い取った土地のブロック塀がウチに越境しているから、その分の土地代として50万円ください」と言われてしまい……焦りました。

これはまだ少額トラブルですが、もっと大きな問題になったときに利用できそうなのが、法務局の『筆界特定制度』。
今回、お客様をサポートして、この筆界特定制度を利用してみましたので、概要を解説してみます。

筆界とはなにか?

筆界とは、ある土地が登記されたときにその土地の範囲区画するために定められた線のことです。所有者同士の合意によって、たとえばお隣さんと話し合って変更するようなことはできません。
一方、境界という用語は所有権の範囲を決めるための線です。
通常は筆界と境界が一致していることが多いですが、境界は所有者間の合意によっても変更できるため、一致しないケースもあり得ます。

筆界の特定とは?

新しく筆界の範囲を決めるものではありません。
その土地が登記されたときの筆界を、現地において特定することをいいます。
筆界特定登記官という専門の職員が、その土地が登記された時点での筆界を明らかにします。

筆界特定申請は誰が行いますか?

その土地の登記名義人またはその相続人などが行います。
ただ、専門的な知識が必要になりますので、一般的には土地家屋調査士の先生に依頼します。
土地家屋調査士さんは、代理人として筆界特定申請を行ってくれます。

筆界特定に必要な手数料は?

自分の土地と、筆界特定をしてほしい隣地の土地価格の合計によってかわってきます。
たとえば、対象土地(2筆)の合計額が4000万円の場合、申請手数料は8000円です。

(以上、法務省民事局が出しているチラシを参考にしています)


さて、今回は土地家屋調査士さんが多忙のため引き受けてもらえず、弊社がお客様をサポートする形で筆界特定申請を行いました。
そこで、その手順をお知らせします。

まず、法務局で筆界特定申請書の用紙をもらいます。これはウエブでダウンロードすることもできます。
記入すべき内容は、対象となる土地の内容や、筆界特定を必要とする理由など。書き方の見本も、法務局でもらえますので、それを見ながら記入していきます。
できあがったら、一度筆界特定登記官に見せて、打ち合わせしておくとよいでしょう。

添付書類として、固定資産税評価証明書(市町村役場でもらいます)、現地案内図、手数料計算書、図面などをつけます。

注意点としては、費用がケースバイケースで変わること。
法務局に支払う手数料はたいして高額ではありませんが、測量費用が別途必要になるので、これがけっこう高額です(20万円前後?)。
ただし、弊社がお手伝いしたケースでは、すでに復元測量を行っていたので、その図面を提出することができたため、測量費用はかかっていません。

利用してみて、法務局の担当の方のに、思ったよりずっと丁寧に応対していただけました。
土地家屋調査士さんに相談した方がよいとは思いますが、予算がない場合は自分で筆界特定申請をするのも、ひとつの手かなと思います。
以上、参考までに!


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